竹下徹の応用電磁気学II-2002 第二回
2 論理回路の数学:ブール代数 G.Boole
論理回路の基本構成要素として、AND , OR, NOTの三つを学習しました。さらにこれらにはそれぞれ対応する計算式と真理表が有ることも学びました。AND回路、AND回路の真理表、AND回路の論理式 L=x1・x2=x2・x1 2番目の式は容易に理解できます。しかし代数学上はこの関係は交換則と呼ばれており、x1とx2を交換しても結果は同じです。同様に OR回路についても、OR 回路、 OR 回路の真理表。 そしてOR回路の論理式は L= x1 + x2 = x2 + x1 であることも明らかで、交換則が成立します。一方 NOT回路は 1入力回路なのですが、これがNOT回路の記号でNOT回路の真理表と論理式は、です。 ここには恒等式が存在します。はを表しています。つまりNOTを2回つなげると元のxに戻ると言ってます。同様に次の恒等式が有ります。xを 0 か 1 において 2進数の計算をしているのとはちょっと違いますね。例えば 1 + 1 = 1 になってます。ここの足し算のようにみえる + はORを 表す取り決めです。
ちなみにこれらの代数でここでは 0 と 1 を使って議論をしていますが、(通常の演算とはちょっと異なりますが) 0/1 の代わりに L/H や F/T : False/True という分け方を使っているとしても内容は同じです。 F/Tでは論理代数として議論されてきました。
恒等式をさらに続けます。(1)、(2)、
(3)、
(4)。
分配則も重要です。は二つの回路が同等であることを示しています。と。分配則その2ですから、また次の二つの回路は同等なのです。。ANDの結合則はであり、を示します。同様にORの結合則は、とかけ、回路はとなります。吸収則も存在します。これではyはなくてもいいってことです。真理表でしめすと、となり納得できます、回路図は、です。でもこれをスイッチでかくと判りやすいかも。両方のスイッチが連動して直列に入ったり切れたりするのでL=x となります。
同様にであることは真理表により、しめされますが、回路では、とかかれ、スイッチではであり、下側のx・yは不必要であることが判ります。
これらの論理計算の代数学のおもしろい集約はドモルガンの法則と呼ばれています。小学生のころに集合理論をならってこれに出くわしたはずです。これがドモルガンの法則その1です。真理表と集合の絵で示してみます。で両辺が等しいことがわかります。回路図では、で有ることを示しています。ドモルガンの法則その2はです。同じく真理表と集合図で、となります。回路図はであることを示しています。