竹下徹の応用電磁気学II-2002 第三回

3ブール代数continued 

ブール代数の計算ではであるような証明がある。

またであることを示す事が出きる。
つまり左辺第三項は無くてもよいので不要項と呼ばれる、ブール代数の計算をして持って行く事も出きる。

この式はf(a,b,c,....)=a・f(1,b,c,...)+a・f(0,b,c,...)というシャノンの定理を使うと楽になる、ただし、a=zと思う。ブール代数の集大成的なシャノンの仕事にちなんでのことであろう。

として
と示される。

不要項の存在を使う も簡単に示される。このような式は全て真理表でも示されることは言うまでもない。

ブール代数では双対性がある:式内のすべての + -> ・、・=>+, 1=>0,0=>1 置き換えを行った式は、また正しい。というもので、が成立することが判っているので、 ==>双対性を使って置き換えて
も成立することが双対性です。
あるいは一番上の式から
なので、これを双対性で置き換えた

も示される。

また拡張ドモルガン則:  式内のすべての + -> ・、・=>+, 1=>0,0=>1 ,各変数の否定を取って
置き換えを行った式は、基の式全体の否定である。
というもので、 ===>置き換え

これはL'に等しい:。この応用として次の3つの式を示すことができる。

を示せ
を示せ
を示せ


すべての回路はNAND あるいは NORのみで表現できる!
例えば、OR回路をNANDで表せという問題は、NAND回路がであることを思い出すと、OR回路を使い、またであることをつかいので、OR回路を作ることが出きる。これを回路図で示すと、入力X,Y  に関して X+Y をNAND 回路のみで描く。 X+Yは OR 回路です。ですね。 NANDはです、X=Yのとき NAND  の出力はよりNOT回路を作ることができます。さて次はドモルガンの法則により、 という式の回路図は、次のようになります。同様に入力X,Y  に関して X・Y をNAND 回路のみで書け。あるいは入力X,Y  に関して X+Y をNOR 回路のみで書け。入力X,Y  に関して X・Y をNOR 回路のみで書け。という問題がありえます。自分で解いてください。

さていままで入力はせいぜい2つを扱って来ましたが、3つ以上になることも考えておきましょう。そんなとき役に立つ方法にカルノー図あるいはベイチ図による簡単法があります。それを紹介します。まずはよく判っている2入力回路です。2入力では組合せは2の2乗つまり4通りあります。真理表を書くとき縦に4個並びますね。これを2次元平面内に描いてしまいます。つまりこういう図です。横方向に2つどうように 縦方向にの場合をとります。従ってA・Bの箱は A=1 and B=1のときに該当します。これをの場合に描いてみます。この式はであり、Aです、これを カルノー図に書き入れると次のようになります。縦に長いつらながりの丸を描くことができます。これをAと読みます。こうやって視覚的に直感的にブール代数の計算をやってのける術があります。さてこれを3変数まで拡張するととても便利です。しかし3次元的に図を描いては訳が分かりませんので、平面内に描いてしまします。中央の太線内8つのカラムが2の3乗=8個の分類です。この8つがそれぞれX,Y,Z の組み合わせでとあらわされます。たとえばを表す位置は、となります。これを解釈します。Yを含む横長の丸は二つの小丸を含みの両方を含むためこの組みでXYという項を表します。以下同様にの示す領域はの両方を含みますので、YZです。最期に緑の領域はを含みますので、XZとなりまう。従ってとなることが判ります。これがカルノー図あるいはベイチ図のつかいかたデス。