竹下徹の応用電磁気学II-2002 第五回

5ダイオードとトランジスター用いたAND, OR, NOR, NAND and XOR回路

n型半導体とp型半導体を接合してダイオードを作った。その特徴は、順バイアスでは、抵抗が小さく、逆バイアスでは抵抗が極端に大きい事であった。
これを極端にしてしまう;デジタル化する
つまり順バイアス電位では、抵抗ゼロ、
逆バイアス電位では、抵抗無限大
と考える。
まワた電位は2つあって、論理の
”1”と”0”に相当するが、
通常、”0”はゼロ電位つまり、接地にとるべきであろう。またこの授業では正の電位=Vccを”1”にとる論理を用いる。+5Vをその電位とするTTL(Transister Transister Logic)が有名である。(近年は早い、小電力回路のために電位はどんどん低くなっている。こうするとノイズとの戦いとなる)
さて左の回路を考えよう、入力電位がゼロつまり、論理で0のとき、電流はVccから抵抗を通し、ダイオードをとおって入力へ流れる。このときの出力の電位は入力と同じくゼロである。また入力電位が高い=Vccつまり、論理で1のとき、電流はダイオードのために流れない。よってこのときの出力の電位はVccが伝わるので高いつまり1である。
これは論理回路としては、出力z=入力xである。

では問題:右図はどうだろう。ここで、接地部の回路は省いた。次図は???

トランジスタ

ダイオードはn型半導体とp型半導体を接合して作った。つまり2個で作ったので、2端子あってダイ=2だった。
これに対して3個で作るとトラ=3ジスターとなる。
組み合わせは2種類、npnか pnpか。真ん中は薄層とする。
またこれに電圧をかけるが、かけ方は、3つの端子があるので、電池が2つ必要となる。まず一つめの電池をおく。これはダイオードなので、p側にプラスがあればこのダイオードには電流が流れる。これを止めるためにスイッチをつけ、さらに反対のn側ににはより大きな電圧をかける。これをエミッタ接地と呼ぶ。
スイッチを閉じると電流が流れることは上で述べた。スイッチを開くと、プラスのホールと右の電子はくっついて無くなって、全部無くなると、電流は流れなくなる。ここで止まる。たとえ、左のnの高い電圧があったとしても。この状態で、スイッチを閉じる。すると真ん中のp半導体部にホールが供給される。イメージとしては下の端子付近にホールが出てくる。エミッタをでた電子の一部はこの供給されたホールと結合して無くなるが、大部分は左へ流れる。こうして、ベースに電圧がかかる(プラス)とコレクタからエミッタに電流がながれるという、回路ができあがる。これを下の図}のように回路図とする。電流の方向と電子の移動方向は逆。だれがBを押すかをトランジスタに置き換えた、出力はCである。

トランジスタによるNOT回路npn接合のよるトランジスタを右のように表すとき、

pnp接合のトランジスタは、こうなることを示せ。まずトランジスタを使ってNOT回路を作る。

入力、出力は 正の電圧が高いVccの時を1とし、
電圧がゼロつまり接地電圧のときを0とする。
この回路を調べよ。

ブール代数の値の再定義
x=1: 電圧 高い(電流を流すことができる)
x=0: 電圧 低い(電流を流すことができない)
トランジスタは、論理回路のスイッチとしてばかりでなく、アンプ(電流増幅回路)としても用いられる。これを説明する。(応用電磁気Iの話し)トランジスタでエミッタ接地のときの電流の流れは、大半はコレクタからエミッタへ流れる、しかしコレクタからベースへの電流も存在すキる。これらを、ICE,ICBとすると、
ICE>>ICB とする事ができる。入力電流をICB,出力電流
をICE入なので、小電力の入力から大電力(抵抗を入出力
につければ電力となる)に変換する、アンプができあがる。http://lib1.nippon-foundation.or.jp/1998/0149/mokuji.htm
ここに易しい説明がある。

ダイオードとトランジスタによるNAND/NOR回路

トランジスタを使ってNOT回路を作った。ダイオードを使ったANDと組み合わせる、つまりAND回路の出力をNOT回路の入力にいれてやると、NAND回路ができあがる。同様にしてダイオードを使ったORと NOT回路を組み合わせる、つまりOR回路の出力をNOT回路の入力にいれてやると、NOR回路ができあがる。

XOR回路

XOR=eXclusive(排他的) OR 回路は上記真理表の反応をする回路である。
排他的とは、xとyについてお互いは異なる(排他)ときは、出力が1となる。
これをAND,OR,NOTで作ると

XOR=eXclusive(排他的) OR 回路は上記真理表の反応をする回路である。
排他的とは、xとyについてお互いは異なる(排他)ときは、出力が1となる。
これをAND,OR,NOTで作ると

練習問題

(1) 2入力の両方の値が一致したときのみ出力1を出す回路を複数作れ。(真理表、回路図、Bool代数の計算を最低限含むこと)

解答:入力をx,y、出力をZとすると、真理表は次のようになる。これを満たす回路は、まずこれがXORのNOTであることからである。またこの真理表を表すBOOL代数式はZ=X・Y+X・Yであることより、次の回路も解であることが判る。さらにより、次の回路も解である。

(2)3つの入力を持つ回路で2個以上の入力が1のとき出力1を出す回路を複数つくれ。これも回路にごとに 真理表、回路図、Bool代数の計算を最低限含むこと。

3入力をx,y,z、出力をFとすると、真理表は次のようになる。きれいでは無い回路でまず作る。ロワン゙のそれぞれの場合の回路を作りORを取ればよいので、Bool代数では、F=X・Y・Z+X・Y・Z+X・Y・Z+X・Y・Z
=X・Y・Z+X・Y・Z+(X+X)・Y・Z=X・Y・Z+X・Y・Z+Y・Z
=X・(Y・Z+Y・Z)+Y・Z=X・XOR(Y,Z)+Y・Zとできるので、実はそのほかにも色々できる。